プラスチックの無い海に
2019年6月に大阪で開催されたG20サミットで主要テーマとして取り扱われた”海洋プラスチック問題”。
そこでは、新たな海洋プラスチック汚染を2050年までにゼロにする事を目指すことが合意され、世界的に注目が集まりました。
現在も毎年2億2千万トン以上のプラスチックが世界中で生産されており、その内8百万トンが海洋に流出しています。100万羽以上の海鳥と10万頭以上の海洋哺乳類がプラスチックの残骸で毎年のように死亡しています。もし私たちが2050年までに正当なアクションを起こさなければ、私たちの海にはプラスチックの量が魚を上回ることになります。
海洋生物への影響
海洋プラスチックは既に海の生態系に甚大な影響を与えています。
正確な数を計算することは難しいですが、WSPA(現在のWorld Animal protection)の2012年のレポートによると、毎年5万7千から13万5千頭のクジラが海洋プラスチックごみにからまるなどの影響を受け、おそらく数百万を超える海鳥やカメ、魚などもこの影響を受けています。
最近の研究で、動物の体内で消化されたプラスチックが魚の内臓を痛めることが判明しました。これは、私たちの食の安全性への問題意識を高めることになります。
プラスチックは分解されにくい
海へ流れ出たプラスチックごみは、自然分解されるまで非常に長い年月がかかると言われています。
身近にあるペットボトルが海へ流れ出た場合、 自然分解するまで約400年もの年月がかかってしまいます。回収されるまでの間、地球環境や景観を汚染し続けます。
破壊されつつある海洋問題への真の解決策は、
私たち一人ひとりが行う小さな変化から始まります。
Oxeani代表 靴デザイナー
Antonio Barros
今日、私たち一人ひとりが主人公であり、私たちを等しく苦しめる問題に立ち向かう行動を選び取る当事者でもあります。この”変える力”は、エコを志向する人々だけのものではなく、私たちとは異なる世界の人々にも共通することです。しかし、地球環境のサステナビリティを達成するためには、大企業による協力が欠かせません。
私たちの経済活動には、生態系への影響や天然資源の減少、環境汚染と強いつながりがあります。そこで私たちは、自然に負担を強いる企業の動きにブレーキをかけるために、協力者たちと共にリサイクル素材にかけることを決意しました。
私は毎日のように海岸沿いを歩くのを楽しみにしています。私には3人の子供がいますが、最も幸福な思い出は、彼らと一緒に海辺を歩き回ることでした。しかし最近、海辺に打ち揚げられるプラスチックの量が益々増えていることに気づきました。やがて、私はそのプラスチックごみを集め、リサイクルようになりましたが、海辺のごみは増えるばかりでした。海辺で集められたプラスチックごみがリサイクルされず、そのままごみの山として放置されたり、焼却されたりしていることに気づいた時、私は何か真剣にしなければならないと考えるようになりました。
そんな時、”Oxeani”を思いつきました。靴のデザイナーとしての経験から、試行錯誤を経て、ひとつの方法を思いつきました。それは、今までリサイクルされていなかったプラスチックを裁断し、天然ゴムやコルクと混ぜ合わせ、魅力的で心地よいサンダルのOxeaniを作ることでした。同時に、その材料にレザーなど動物性の素材を使わない(ヴィーガン)ことで、よりサステナブルで価値のあるプロダクトにしようと考えました。
レザーに代わる素材を探し始めると、その殆どがプラスチック製か靴としての耐久性に耐えないモノばかりでした。度重なる調査をする中で出会ったのがピニャテックスでした。ピニャテックスはパイナップルが原料。つまり、ヴィーガンでエコ、そして必要な耐久性を備えており、まさに求めていた素材でした。
しかし、最大の難関は海洋プラスチックでした。海岸に打ち揚げられたプラスチックはリサイクルには全く不向きの材料だったのです。
海岸に打ち揚げられたプラスチックにはありとあらゆるプラスチックが含まれており、その分別は困難を極め、ほとんど不可能に思えました。
さらに、種類の異なるプラスチックは溶ける温度も様々で、材料として考えることが益々難しくなりました。
数多くの試行錯誤をエンジニアと共に行う中で、プラスチックを裁断し、天然ゴムと特別な配合で混ぜ合わせることで、ついに海洋プラスチックを材料にした優れたフットウェアを作り出す方法を見つけることが出来ました。
海の波をイメージしてデザインしたアウトソールは半透明で、さまざまな色のプラスチックが見られます。
それは、私たちが何もしなかった場合の将来の海のようにも見えます。
ただ、私たちがほんの少しでも変わることが出来れば希望はあると思っています。
販売企業
- 販売業者
- クロキ商事株式会社
- 住所
- 〒571-0027 大阪府門真市五月田町32-14
- 代表
- 黒木 紘一
- 創業
- 2016年11月1日
- 設立
- 2019年4月1日